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 ロシアの反政権活動家アレクセイ・ナバリヌイ氏が25日、これまで収容されていたモスクワ市内の拘置所から刑務所に移送された。ナバリヌイ氏は、過去の経済事件で下された有罪判決の執行猶予を取り消す決定を受けており、2年6カ月の実刑に服すことになる。

 タス通信が伝えた。同通信によると、ナバリヌイ氏の弁護士が同日、拘置所に面会に訪れたところ、すでに移送されていたという。当局は移送先や目的を明らかにしていないが、刑務所や拘置所の人権状況を監視する社会監視委員会が、刑務所に移送されたことを確認したという。

 ナバリヌイ氏は昨年8月、ロシア国内で毒殺未遂に遭い、今年1月、療養先のドイツから帰国。直後に、2014年に受けた有罪判決の執行猶予期間中の出頭義務に違反したとして拘束され、モスクワの裁判所が執行猶予の取り消しを決定した。ナバリヌイ氏は不服を申し立てたが、上級裁判所も2月20日、執行猶予の取り消しは妥当だとし、実刑が決まった。ナバリヌイ氏側は、さらに上訴する方針を示している。

 ナバリヌイ氏の徹底排除をはかるロシアに対し、欧州連合(EU)首脳会議のミシェル常任議長は25日の会見で、「ロシアを強く非難する」と述べ、ナバリヌイ氏の解放を要求。22日のEU外相理事会で合意した対ロ制裁の拡大について、「来週にも正式決定する」とした。ロシアのプーチン大統領は「我々を制裁で縛り、民主的な手続きに直接介入しようとしている」と態度を硬化させており、欧米との対立がさらに加速している。(モスクワ=石橋亮介)