[PR]

 昨年2月26日に当時の安倍晋三首相がイベント自粛を要請してから1年になる。ライブ芸術はコロナ禍で、もっとも長期にわたり打撃を受けているジャンルだ。苦境下で再び劇場の幕を開け、公演を続けてきた演出家の藤田俊太郎さんと東京・歌舞伎座の橋本芳孝支配人が、試行錯誤を重ねた1年間を振り返った。(編集委員・藤谷浩二)

「失われた多くの舞台、胸に刻む」 演出家・藤田俊太郎さん

 自粛要請の翌日、藤田さん演出の音楽劇「天保十二年のシェイクスピア」東京公演が3ステージを残して中止に。3月の大阪公演も中止が決まった。主演の高橋一生さんが最後のカーテンコールで、「心の底から無念」「娯楽が世の中からなくなったら、『豊かな心』が失われていってしまう」と観客に語りかけた。

 4月の緊急事態宣言を受けて、全国の劇場が閉鎖された。2本のミュージカル「VIOLET」(4~5月)、「ジャージー・ボーイズ」(7~9月)も全公演中止となった藤田さんがめざしたのは、形を変えても上演を探る道だった。自宅からオンラインで打ち合わせ、「演劇人生の千秋楽と思って頑張ろう」と励まし合った。次々と仕事を失った俳優やスタッフの顔が、いつも頭にあった。

 「ジャージー」は7~8月に客…

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

【5/11まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら