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 北海道羅臼町で保護された国の天然記念物オジロワシが、散弾4発を被弾していたことがわかった。近距離から狙って撃たれた可能性が高いといい、専門家は「許されることではない」と批判している。

 オジロワシは今月13日、羅臼港でおぼれているところを知床財団の職員らに保護された。連絡を受け、野生動物専門の動物病院「猛禽(もうきん)類医学研究所」(釧路市)代表の獣医師、斉藤慶輔さんが応急処置を施した。外傷はなく、X線検査で被弾がわかった。

 散弾は直径3・25~3・5ミリの水鳥猟用の鉛弾。左の翼、尾の基部、右足の指部から計4発が見つかった。どの傷もすでにふさがっており、被弾からかなり時間が経っているとみられるという。

 斉藤さんによると、4発も被弾していることから流れ弾の可能性は低いという。弾の有効射程は40~50メートルで、木などから飛び立とうとしたところを下から撃ったとみられる。故意に撃った場合、鳥獣保護管理法などの法令違反に問われる。

 斉藤さんは絶滅の恐れがある猛禽類の保護に長年携わってきた。1990年代には道内でもワシが撃たれるケースが散見されたが、近年そうした事案はなかったという。

 今回のワシが撃たれた場所や時期はわからず、繁殖地のロシアなど海外で撃たれた可能性もある。ただ、オジロワシはロシアでも保護動物だ。斉藤さんは「日本、ロシアに関係なく、これは犯罪だ。誰が、何の目的で、ということではなく、(許可なく野生動物を撃つという)そういう意識の人に銃を持たせているということが問題で、恐ろしさを感じた。そういう人を知っていたり、見たりした人は警察などに通報してほしい」と呼びかけている。(奈良山雅俊)