塩味付け鶏肉 めざせ設楽の星 地元スーパー発売 愛知

小山裕一
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 愛知県設楽町の新名物にしようと、町の小さなスーパーが塩味の味付け鶏肉を作り、売り出した。日本酒「蓬莱泉」の関谷醸造が有名な奥三河の町。Uターンで戻ってきた店長が、町の新たな魅力を作ろうと一念発起した。

 町中心部の設楽町田口など町内で3店を展開するスーパー「マルツ」が1月末から売り出したのは、塩味の冷凍味付け鶏肉「田口塩鶏」。店長の近藤友樹(ゆうき)さん(40)が、同年代の町おこしの仲間や従業員らの意見を聞きながら、半年ほどかけて作った。

 肉を軟らかくする塩こうじや沖縄の塩・シママース、ホタテパウダーなどでタレを作り、町内の飼育会社の鶏もも肉を漬け込んで真空パックにする。味の決め手になるのは「塩」。岩塩や粗塩なども試した結果、「鶏肉と相性が良く、味が強すぎない」とシママースに落ち着いた。「設楽町の名物にするため、鶏肉は地元産の使用を重視した」。あっさりした味に仕上がった。

 設楽町で生まれた近藤さんは大学卒業後、名古屋市に本社があるスーパーに就職し、西三河の店舗で農産物を担当した。家業を継ぐため、5年前に地元に戻った。山奥のこの土地には、牛、豚、鶏を問わず保存が利く味付け肉を好む文化がある。Uターンして改めて気づいたのは、名古屋などの遠方から味付け肉を買いに来るほど人気の焼き肉店が町内にあることだ。

 焼いて、すぐ食べられるのが味付け肉の魅力。最近はアウトドアブームの影響で、この人気店などで味付け肉を買い、町内のキャンプ場でバーベキューを楽しむ観光客も目立つ。「味付け肉は町の名物になるのでは」と思い立った。真空パックの機材選びなどでは、焼き肉店や、すでに味付け肉を作っている業者が助言してくれた。

 今月19~21日に岡崎市内のショッピングモールで、東三河の商品を扱う物産展があり、近藤さんの店も田口塩鶏を販売。3日間で200個以上が売れた。

 豊橋市から直線で約40キロ離れた設楽町は、町内を通る鉄道が50年以上前に廃線になるなど、過疎と少子化が進む。それでも「町が少しでも盛り上がるようなことがしたい」と近藤さんは言う。「子どもたちの世代に挑戦する姿を見せたい。あきらめずに、新しいことをやりたい」

 田口塩鶏は1パック300グラム入り。マルツの3店で、598円(税抜き)で販売中。マルツのホームページ(https://marutu-hypermarket.amebaownd.com別ウインドウで開きます)内のネットショップ(税込み698円、送料別)でも買える。問い合わせはマルツ田口店(0536・62・0311)へ。(小山裕一)