那須の雪崩事故、遺族側と県教委が合同追悼行事開催へ

津布楽洋一
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 4年前に高校生ら8人が犠牲になった栃木県那須町の雪崩事故で、遺族側と県教育委員会などが合同の追悼行事を開く方針でおおむね合意したことが26日、明らかになった。実現すれば、事故後初の合同追悼行事となる。遺族側は「事故の風化防止のためには、一緒にやっていく方が良いと判断した」としている。

 事故が起きたのは2017年3月27日。登山講習中だった県立大田原高校山岳部員の生徒と引率教員が、雪崩に巻き込まれて亡くなった。

 県教委などは、翌年から3月27日に追悼行事を開いてきたが、遺族側は行事の内容などに納得せず、一部を除いて参加しなかった。昨年3月も、県教委と県高校体育連盟が27日に主催して献花した一方で、前日の26日には遺族側が追悼式を開いていた。

 県教委によると、すでに生徒1人の遺族とは示談が成立した。今年の追悼行事については、昨年末ごろから協議が始まった。事故の再発と風化を防ぐことを目的に追悼式を開催していくという趣旨を共有し、今月の話し合いで大筋の合意がなされたという。

 「那須雪崩事故遺族・被害者の会」の毛塚辰幸さん(68)は「個人的な思い」と断ったうえで、「刑事事件として結論が出ておらず、目に見える解決はなされていない。感情的には一緒にやりたい気持ちにはならない」と打ち明ける。それでも「再発や風化の防止を進めることになるのではないか」と合同で主催する意義を語った。同会の奥勝さん(49)も「事故の教訓を後世に残すことが大きな目的」と述べた。

 県教委は開催日について、遺族側が希望する3月26日で検討。新型コロナウイルス対策も考慮して開催場所を決めるという。(津布楽洋一)