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 2度目の緊急事態宣言が京都府内に出てから約1カ月半が過ぎた26日、京都での宣言が大阪府、兵庫県などとともに2月末で解除されることが決まった。だが、新型コロナウイルスの脅威は残る。人の動きが活発化する年度の変わり目を控え、「第4波」を警戒する声も出ている。

 政府による宣言解除決定を受け、府は26日夜、新型コロナの対策本部会議を開いた。飲食店の営業時間短縮など、要請してきた制限措置を3月1日から段階的に緩和することを決めた。

 飲食店などの時短営業はこれまでは午後8時閉店を求めてきたが、午後9時に緩める(酒類提供は午後8時まで)。対象地域は7日までは府全域だが、8日以後は京都市に限る。期限は14日まで。協力金は解除後も飲食店のみが対象で、金額は1日4万円に引き下げ、全額国費で賄う。

 不要不急の外出自粛や、出勤者の7割抑制などの措置は、宣言時と同様に続ける。5千人以内だったイベント開催の要件は1万人以内まで緩和するが、収容率は従来通り、屋内は原則50%以下とする。

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 府内の1日あたりの新規感染者数は、今月21日以降は1桁台。26日は8人(府3人、京都市5人)で、1人の死亡も発表された。ECMO(エクモ、体外式膜型人工肺)などが必要な患者用の高度重症病床(38床)の使用率は、今月中旬からは5%台で落ち着いている。

 昨年11月からの「第3波」で、京都は今年1月13日に宣言の対象になり、同17日に1日の新規感染者数がピークの154人に達したが、その後は減少局面に。新規感染者数と重症病床の使用率は今月12日、ともに宣言解除を検討する府の独自基準に達していた。

 ただし、昨春の1回目の緊急事態宣言の解除時は、約1週間前から新規感染数はゼロだった。3~4月は卒業や入学、異動などで人々の接触や移動の機会が増える。宣言解除による気の緩みが「第4波を招きかねない」と、治療や対策にあたる関係者は心配する。

 西脇隆俊知事は26日、宣言解除を「再拡大防止に向けた新たなスタート」と位置づけ、予防策の再徹底を呼びかけた。

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 京都市東山区のしゃぶしゃぶ料理店「十二段家(だんや)」は午後8時までの時短営業などで、予約が週1組ほどに減っている。宣言解除後、午後9時まで延長するが、調理責任者の西垣大さん(49)は「終息するまで、お客さんの自粛傾向は変わらない。宣言を出したまま、より多くの協力金をもらえる方がありがたい」とぼやいた。

 清水寺の周辺は、多くの店がシャッターを閉めたまま。産寧坂の菓子店「タマゴパーラー」も休業していたが、27日から再開する。店長の鈴木孝信さん(51)は「桜が咲く3月中旬くらいには、客足が戻ってくれれば」と期待を寄せる。

 二年坂一帯の飲食店や土産物店などでつくる「古都に燃える会」の会長、神田智弘さん(52)も「これまで桜シーズンのかき入れ時を期待して我慢してきた。春から大型連休にかけて巻き返したい」と話した。

 東山区の「ホテルセンレン京都 東山清水」は3月1日に開業する。予約は全167室の1割以下だったが、宣言解除の見通しが伝えられたここ数日、問い合わせが増えた。運営会社の武山拓昭取締役は「宣言解除とタイミングが重なりそうでありがたい」と喜ぶ。

 ただ、京都商工会議所の塚本能交会頭は25日の定例会見で、国の「Go To キャンペーン」について「もうちょっと感染が落ち着くまでやるべきでないと思う。安心して来ていただけ、我々も受け入れられる環境が整備された段階の方がいい」と慎重な姿勢を示した。(高井里佳子、佐藤秀男)

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 今後の感染対策のかぎを握るのがワクチン。府は26日、接種への不安などに対応する電話相談窓口「京都新型コロナワクチン相談センター」(午前9時~午後7時、075・414・5490)を開設した。

 薬剤師や看護師ら10人が応じており、この日は「持病やアレルギーがあるが大丈夫か」「副反応が心配だ」といった相談が寄せられていた。府薬務課の横田薫課長は「不安を解消できるように正しい情報をお伝えする努力したい」と話した。

 ワクチンはすでに、府内2病院で19日に先行接種がスタート。26日までに医療従事者約750人が1回目を済ませた。手足のじんましんや熱が出た人が数人いたが、急性の重い副反応例はないという。2週間空けて2回目を打つ予定だ。

 続いて、接種を望む約9万5千人の医療従事者、4月12日からは高齢者と、優先接種の日程が組まれている。各市町村は本人宛てに送る接種券を準備中だ。

 ただ、高齢者用に4月に京都へ配分されるワクチンは1万725人分。65歳以上は府内に約75万人いる。そのため府は、まず特別養護老人ホームの入所者から接種を始める方針で、調整を始めた。感染すると重症化するリスクが高いためだ。供給量が入所者数とほぼ同じで、効率よく接種ができ、経過観察しやすい点も考慮したという。(権敬淑、山崎琢也)

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