柳楽優弥 迷った20代と、モンゴルで得た新作の経験
カンヌ国際映画祭史上、最年少の14歳で最優秀男優賞を獲得したシンデレラボーイ――。柳楽優弥を紹介する時、私たちメディアも必ずそんな枕ことばを付けてしまう。しかし、本人にしてみたら、大変なプレッシャーになっただろうことは容易に想像出来る。いま、多くの経験を積んで30歳になった柳楽優弥が、17年前の受賞作「誰も知らない」を振り返り、そして、自分を再発見したという新作「ターコイズの空の下で」について語った。
「思っていた以上に、自分の内側に残っているんだと気づきました」と柳楽は言う。「誰も知らない」の是枝裕和監督は、子役たちに台本を渡さず、その場で感じたままに演技をさせた。今回の新作「ターコイズの空の下で」のKENTARO監督の演出も独特だったという。「常にカメラが回っていて、『ここでちょっとたばこを吸ってみて』『馬乳酒を飲んでみようか』とか、久しぶりに即興的な演技を求められたんです」。それが是枝組の経験を思い起こさせたという。
「何だかほっとしたんです。とても居心地がいいと感じました。セリフを覚えて芝居をするというオーソドックスなことも出来ないといけないけれど、僕にはこっちのやり方のほうが落ち着くんだな、と。今でも『誰も知らない』のやり方が感覚として残っていたんだな、と思ったんです。『誰も知らない』の話ばっかりしてると、『お前、それしかないのか』って言われそうですけど。他の作品にもまあまあ出てはいるんですけどね(笑)」
彼が演じるのは大企業を経営…
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