ミャンマー国連大使が解任、演説で国軍批判 国営テレビ
ロイター通信によると、ミャンマー国営テレビは27日、クーデターで権力を掌握した国軍を批判したチョーモートゥン国連大使が解任されたと報じた。
米ニューヨークの国連本部では26日、ミャンマー情勢を議論する国連総会の会合が開かれた。チョーモートゥン氏は冒頭、「私は(アウンサンスーチー氏が率いる)国民民主連盟(NLD)を代表している」と強調。NLD議員らによって組織された連邦議会代表委員会(CRPH)から託された声明を読み上げた。
声明は、昨年11月の総選挙を「自由で公正で、成功裏に行われ、我々の歴史の重要な節目」と表現。「ミャンマーは民主主義への熱意と愛着を、投票によって示した」と述べた。
ミャンマー国軍は今月1日、スーチー氏や大統領だったウィンミン氏らを拘束。声明はこれを「人民の要望を完全に無視したものだ」と批判し、「我々が、以前のようなシステム(軍政)に戻りたくないことは明々白々だ」と指摘した。
チョーモートゥン氏は演説の終盤、ビルマ語でミャンマー市民に連帯を呼びかけた。人さし指と中指、薬指の3本を掲げ、クーデターに抗議した。声を震わせながら、10分強にわたる演説を終えると、各国の代表団からは拍手が送られた。
チョーモートゥン氏はヤンゴン大を卒業後、新潟の国際大学に留学して修士号を得た。インドネシアやシンガポールに外交官として赴任した経験があり、国連大使にはクーデターが起こる前の昨年10月に就いた。(ニューヨーク=藤原学思)