途上国にワクチン、COVAX始動 闇接種などの懸念も

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ロンドン=下司佳代子 ナイロビ=遠藤雄司、サンパウロ=岡田玄
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 新型コロナウイルスのワクチンを共同調達する国際的な枠組み「COVAX(コバックス)ファシリティー」によるワクチンの供給が始まった。先進国がワクチンの獲得を競うなか、途上国を取り残さない試みは一歩前進したが、公平な分配への道のりは遠い。

 コバックスは世界保健機関(WHO)などが主導する。日本を含む190の国・地域が参加し、先進国の拠出金などをもとにワクチンを共同調達する枠組み。年末までに少なくとも20億回分の供給を目指し、暫定計画によると、今年前半には計約3億4千万回分が、中低所得国を中心に145の国・地域に割り当てられる見通しだ。

 24日には英製薬大手アストラゼネカなどが開発したワクチン60万回分がアフリカのガーナ、26日に50万4千回分がコートジボワールに着いた。今後、医療従事者らへの接種が始まる。他の国にも順次、ワクチンが届けられる予定だ。当面、コバックスでのワクチン供給には主に同社製のワクチンがあてられる。

 WHOのテドロス事務局長は24日、「パンデミック(世界的大流行)は、全ての場所で終わらない限り終わらない。ワクチンの公平性という共通目標の実現に向け、今日は重要な第一歩だが、始まりに過ぎない。すべての国で今年最初の100日以内に医療従事者や高齢者へのワクチン接種を確実に行うために、各国の政府や製造業者と取り組むべきことはまだたくさんある」との声明を出した。

 2009年の新型インフルエンザの流行では、裕福な先進国が製薬会社からのワクチン買い占めに動き、途上国が置き去りにされかかった。この教訓をもとに設立されたのがコバックスだ。途上国の接種が遅れて感染が収まらなければ、先進国との貿易にも影響が出て、世界経済全体の損失が広がるとの試算もある。

 先進国の間でも危機意識はあり、フランスのマクロン大統領は欧米の先進国は各国が確保したワクチンの5%を途上国にまわすべきだと主張。英国のジョンソン首相も19日の主要7カ国(G7)首脳によるビデオ会議で、余ったワクチンは途上国に提供するとした。

アフリカのカバー率、全人口の2割(ロンドン=下司佳代子)

 アフリカでは感染者数が38…

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