維新が「ファクトチェック」開始 推進する法人は問題視

久保田侑暉、笹川翔平
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 地域政党大阪維新の会は、ツイッター上で「ファクトチェック」の第一弾を投稿した。大阪市新型コロナウイルス対応を批判するツイートに関する内容だ。市長を出し、市議会与党の維新が「ファクトチェック」をすることには、「非党派性」の原則から逸脱し、第三者による検証ではないとの批判が出ている。

 維新の投稿は26日夜。新型コロナ感染者の濃厚接触者だとする人が「(自宅療養期間中に)大阪市の保健所からはついに一度も連絡無し」「まさに放置状態」などと2月12日に書き込んだツイートに対するものだった。アカウント名が分かる形で引用して「感染者数の爆発的増加に伴い、(療養期間中に保健所が)積極的に健康状態を聞き取る方式から、ご本人が異変を感じた際に申し出て頂く受動型に切り替えている」とした。

 維新代表の吉村洋文大阪府知事は27日、朝日新聞などの取材に「維新として正確な情報を発信するのが不安の解消にもなる。個人攻撃をしているわけではない。言論に対しては言論で対抗するのがあるべき姿だ」と述べた。

 日本でファクトチェックを推進するNPO法人「ファクトチェック・イニシアティブ」によると、ファクトチェックには「非党派性・公正性」など国際的な五つの原則がある。楊井人文事務局長は「政党として情報発信や言説に反論する自由はある」とした上で、「大阪維新の会は政治団体であり、非党派性・公正性の原則から外れる」と指摘。さらに「ツイートの内容が事実かどうかをレーティング(真偽の判定)せず、あたかも誤情報だという印象を与えている」と問題視する。

 ネット上では、今回の維新の動きについて「自己を正当化することがファクトチェックなのか?」「『ファクトチェック』ではなく『吊(つる)し上げ』」「脅迫もしくは弾圧だ」「公党が個人のツイートをさらして、個人攻撃か」といった批判が相次ぐ。維新内部からも「与党の維新がいろいろ言われるのは当然。ファクトチェックをする立場ではない。政党として未熟で、おごりがある」(市議)との声が出ている。(久保田侑暉、笹川翔平)