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 雨乞いをして栃木県足利市の山火事を収めようと、隣の佐野市郷土博物館で27日、雨乞いの霊験あらたかと伝わる「雲竜のふすま絵」が公開された。約30年前、田植え前に日照りが続き、このふすま絵を引っ張り出して雨乞いしたところ、雨が降ったという。

 元々、ふすま絵は佐野市寺中町の若衆組が芝居の背景に使ったもので、地元の東光寺が保管していた。14枚組みで、幅8・12メートル、高さ1・52メートル。図柄は黒雲の中から宝珠をつかんだ竜が顔をのぞかせ、下には波頭が立っている。

 地元では「ふすま絵を出すと必ず雨が降る」と言い伝えられてきた。今回、約30年前の雨乞いを覚えていた住民が寄贈先の博物館に「山火事が一日でも早く収まるように雨乞いのふすま絵をだしては」と連絡し、特別公開になったという。

 東光寺前住職の伊東桃禅さん(84)は「昭和初期にも時々出していた。足利の山火事が早く収まって欲しいと心を痛めていた」と話した。3月2日には伊東さんが出向いて博物館内で法要をする。

 宇都宮地方気象台によると、3月2日は雨の予報という。佐野市郷土博物館はコロナ感染症拡大防止のため、入館者を佐野市民に限定している。(根岸敦生