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 LGBTQ(性的少数者)を身近に感じ、一緒に課題に取り組む同盟者(アライ)を増やす。そんな目的で、さまざまな性を生きる人たちが舞台に立つファッションショー「関西アライモ」が3月6日、大阪・梅田で開かれる。過去の苦い経験からアライとなった男性が企画した。

 「素敵」「やったあ」。和歌山市に住む津村雅稔(まさとし)さん(35)が鏡に映る自分に向かって声をかけ、モデル歩きを見せた。大阪市北区のスタジオで今月23日、ショーの出演者が歩き方や立ち方のレッスンを受けた。

 津村さんは、自身も好きになる人の性別も男性だ。普段の服装は「男性用」「女性用」という枠にとらわれず、「自分らしさを表現できるか」を大切に選んできた。「私の姿を見せることで、固定的なジェンダーの壁をたたきたい」

 ショーには20人が出演する予定だ。うち7人は、同性愛の男性や、生まれた時と異なる性別で生きるトランスジェンダーらだ。

 兵庫県尼崎市の井餘田(いよた)みのりさん(52)は4年前まで男性として生きてきた。電気機器製造会社に勤め、妻と子2人と暮らした。だが幼い頃から女性になりたかった。48歳で離婚した。ホルモン投与を始め、名前を「実」から「みのり」に改め、スカートをはいて職場へ行くようになった。

 昔からファッションショーに出てみたかった。「自分を押さえつけてきた人たちへ、『無理して隠さなくていいよ』と伝えたい」

 ショーを企画したのは、堺市北区の会社経営者、山本超基(まさき)さん(46)だ。過去に抱いた悔悟の念が、LGBTQを支えたいと思うようになった根底にある。

 27歳から7年間、手作り豆腐会社の工場長を務めた。男性から女性へ変わろうとしている従業員がいた。「もう分かってると思いますけど、間違えんといてくださいね」。一緒に配達に出た時、女性として働いていると告げられた。

 従業員はその後休職して性別適合手術を受け、復職後明るくなった。でも、外見が女性らしくなるほどに、同僚から偏見のまなざしや悪口を向けられるように。うつ病になり、仕事も休みがちになった。

 「どう接したらいいかわからなかった。もっと何かできたかもしれない」と山本さんは今も悔やむ。

 10年後の2018年、山本さんはトランスジェンダーらが使う補正下着の製造・販売会社を設立した。LGBTQが集まる会や催しに飛び込み、自分に何ができるか率直に尋ねた。

 あるトランスジェンダーの人に言われた。「当事者が声を上げるのは当然。当事者でない人が声を上げることに意味がある」。少数の当事者だけでなく、多数派も一緒に動いてこそ、社会を変える力になると。

 その教えが関西アライモの名に生きている。当事者の姿を見て、ともに生きやすい社会にしようと動くアライを「モ」っと増やしたいとの願いを込めた。

 出演者を指導するモデル講師の優子さん(41)もアライの一人だ。18年から大腸がんを患う中、人の優しさとは何か考えてきた。「誰かのために何かしたいと思った時、まず知ること。ショーに出演する一人ひとりを知ってほしい」

 ショーは6日午後4時から大阪市北区のグランフロント大阪内ナレッジシアターで。入場料3千円。オンラインでのライブ視聴は半額。予約は特設サイト(https://www.kansai-allymo.com/別ウインドウで開きます)から。(花房吾早子)

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