石舞台古墳で被葬者体験 豪族に扮し、リアルな演出

清水謙司
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 大豪族の最後のときを感じてみませんか? 飛鳥を代表する名所・石舞台古墳(国特別史跡奈良県明日香村)で、古代の葬送儀礼を体験するプログラムができた。参加者は豪族と同じ衣装を着て石室に入り、歴史上の人物に扮した参列者も登場する。飛鳥観光協会が5~8月ごろ実施予定で、体験者を募る。

 文化財を核に地元を盛り上げていく文化庁の事業「生きた歴史体感プログラム促進事業」の一環で、飛鳥観光協会の有料企画「飛鳥時代の黄泉(よみ)の世界へ(石舞台古墳で被葬者体験)」。観光振興や文化財保護などに役立てるという。

 石舞台古墳は7世紀前半に築かれたという。飛鳥時代の豪族・蘇我馬子の墓とされている。体験者は当時を再現した衣装で亡くなった馬子に扮する。別れの儀式の後、石室へ。

 体験者は村教委文化財課の考証でつくった石棺のレプリカに納棺される。馬子の息子・蘇我蝦夷(えみし)や推古天皇らに扮した人々も参列者として登場。なきがらを前に別れの言葉を述べたり、号泣したりして、リアルな葬送儀礼を演出する。

 一連の葬送儀礼体験は約2時間。日の長い5~8月ごろ、観光客らがいない閉場時に「貸し切り」で行う。手の込んだ本格的な内容で人件費もかかるため、体験費用は10万円から(消費税別)。グループで申し込むと、参列者にもなることができる。

 明日香村は豊富な文化財を生かして、収益を生み出すことなどを目指している。プログラムは村も活用するつもりだ。今年の秋に村内で行うイベントで、石室内に置いた石棺に衣装をつけて入ってもらい、記念撮影する参加費の安い「プチ体験」も計画する。

 小池香津江・村教委文化財課長は、「古墳は当然ながら埋葬の場だが、そのシーンを空想するには助けがいる。当時の情景がイメージしやすい良いプログラムになるのでは」と言う。プログラムの申し込みなど問い合わせは飛鳥観光協会(0744・54・3240)。(清水謙司)