ビッグイシューのトートバッグ好評 400号記念で販売

松尾由紀
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 【大阪】ホームレスの人たちが路上で販売し、売り上げの一部を生活資金に充ててきた雑誌「ビッグイシュー日本版」が2月、通算400号に達した。節目を記念して発行元がオリジナルのトートバッグをつくったところ、たちまち売り切れるほどの人気に。追加生産して販売を続ける。

 トートバッグはオーガニックコットン製で、縦36センチ、横37センチ、底部の奥行き11センチ。A4判の書類を入れて余裕がある大きさだ。持ち手が60センチと長く、肩にかけられる。税込み1700円で、半分の850円が販売者の収入になる。

 ビッグイシューは英国発祥の雑誌で、日本版は2003年9月に発刊された。国内の発行元は「ビッグイシュー日本」(大阪市北区)。月2回の発行で、累計販売部数は890万冊を超えている。

 販売する人は雑誌を1冊220円で仕入れ、通行人に450円で売る。差額の230円が収入になる。東京や大阪を中心におよそ100人が活動している。

 ただ、昨年以降は新型コロナウイルスの影響で街の人出が減ったため、路上販売は大打撃を受けた。昨年4月の販売部数が前年の半分に。徐々に持ち直したものの、2度目の緊急事態宣言が出た今年1月も4割減と落ち込んだ。

 ビッグイシュー日本で販売を担当する中嶋祥起(よしき)さん(28)は「長時間路上に立っても売れず、販売者はストレスを抱えている。コロナ禍で新たに始めた雑誌通販の利益を販売者に渡す仕組みで支えているものの、先行きの不安は大きいだろう」と懸念する。

 トートバッグの制作も、収入減を補う試みの一つだ。昨年春から企画がスタートし、秋にオンラインイベントで先行販売したところ好評だった。

 そこで400号の発行に合わせて600個を作り、2月1日に発売を始めると、ひと月もたたないうちにほぼ売り切れた。急きょ400個を追加生産した分を3月1日から販売する。

 いつもビッグイシューを買ってきた人だけではなく、「SNSで見てデザインにひかれた」という若い世代の購入も目立っている。

 中嶋さんは「『おしゃれなバッグ』と評判がいい。バッグを買うことをきっかけに、ホームレスの問題に関心を持ってもらえたらうれしい」と話す。

 路上販売の場所は同社のホームページ(https://www.bigissue.jp別ウインドウで開きます)で確認できる。(松尾由紀)