臼井昭仁
愛知県沿岸では、ほとんど生産されていないカキの養殖を広めるため、県による試験が西尾市などの沿岸で始まっている。「シングルシード」と呼ばれる国内では珍しい方式。数年後の本格出荷を見据え、4月からは試験を拡充する。
県沿岸でのカキの生産量は1、2トン程度。佐久島(西尾市)で約25年前から養殖されているほかは、篠島(南知多町)で有志のグループが最近、本格的に始めたぐらいだ。
県によると、もともと県沿岸ではアサリ漁が盛んで、愛知は2019年まで16年連続、生産量がトップ。ただ全国的な不漁は愛知も例外でなく、19年までの10年間で5分の1程度にまで落ち込んでいる。貝・海藻を採る漁業の経営体は18年までの5年間で3割ほど減った。このため新たな水産物としてカキの導入を目指すことになった。
目をつけたのは海外発の養殖方式、シングルシード。国内では、まだ北海道厚岸町などで取り組んでいる程度だ。
一般的なカキの養殖方法だと、稚ガキを海に沈めたまま育てる。これに対してシングルシードは、長さ約65センチ、直径約25センチの網かごに稚ガキを入れて育てる。浅瀬に横向きで設置するため干潮時には外気にさらされ、波にも洗われる。
長所として、①環境の変化を受…
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