防潮堤の整備は進んだが…災害弱者の避難、なお課題

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上地一姫
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 「高齢の参加者が年々減っている」。岩手県大槌町の吉里吉里地区で暮らす藤本俊明さん(71)は避難訓練のたびに気になっていた。地区では東日本大震災で95人が犠牲になった。毎年、訓練を重ねてきたが、最近は「転んでけがをするのが怖い」と足が遠のく高齢者も増えている。

 地区では、高齢化率が4割を超える。藤本さんは2014年に座長として、地区の津波避難に関する自主防災計画をまとめた。あれから7年。高齢者の避難を支援する民生委員消防団員の担い手は減り、年齢も上がっている。「いつまで支援を続けられるのか。支援する側も自分自身が逃げるので精いっぱいだ」

 10年前の震災では、岩手と宮城、福島の犠牲者のうち、66・1%が60歳以上だった。「災害弱者」には1人での避難が難しい高齢者も含まれる。震災直前の2010年に27・2%だった県内の高齢化率は、この10年で33・7%まで上がった。特に津波被害への備えが必要な沿岸自治体では、久慈を除いていずれも県平均を上回っている。

 震災後、沿岸では防潮堤の整備が進んだが、自力で避難ができない人の命をどう守るかという課題は残る。政府の津波避難対策検討ワーキンググループは震災の翌年、災害弱者の避難を支援するとしても、自分自身の避難が遅れない方法を検討するよう、各地の自治体に提起した。

 震災時には、各地の消防団員

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