第5回ロケット弾の嵐のなかで それでもパレスチナを憎まない

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エルサレム=高野遼
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青春と愛国とロケット弾⑤

 あの日、イスラエル人がパレスチナを恐れる気持ちが少しわかった気がした。

 2年前の5月、私は取材でイスラエル南部の民家を訪れていた。前日、パレスチナのガザ地区から250発のロケット弾がイスラエルに向けて発射された。うち1発がこの民家に落ち、男性が亡くなっていた。

 翌日なら安全だろうと踏んでいたが、見通しが甘かった。ロケット弾の嵐はこの日も止まっていなかった。

獄中にいたパパは精子を菓子袋に…そして僕は生まれた

自力ではあらがえない紛争のど真ん中で生まれ、何を感じて大人になっていくのか――。パレスチナの未来を担う若者たちの現実に迫る。

 取材中、突然サイレンが鳴った。上空で爆発音。イスラエル軍が迎撃したらしく、白い煙が空に漂う。

 慌てて民家の台所奥にあるシェルターに逃げ込んだ。狭い部屋に身を寄せ合い、女の子の泣き声が耳元で響く。5分、10分――。息を潜め、落ち着くのを待った。

 イスラエル人にとって、珍しい出来事ではない。この原稿を書いている今も、スマートフォンには警報を知らせるメッセージがまた1通、送られてきた。イスラエルでの日常の一コマだ。

「イスラエル兵って、本当に悪なの?」

       ◇

 「メディアが伝えない現実がここにはある」。ガザ地区に隣り合うイスラエルの村でジブ・ゴールデンバーグさん(17)は言った。

 ガザ地区は目と鼻の先。コン…

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