同じ試験なのに一般職…「このご時世に」 男女格差悪化

有料会員記事

岡林佐和、益田暢子、藤えりか 聞き手・高橋末菜
[PR]

 31日発表された世界経済フォーラム「男女格差報告書」は、経済の数値の悪化も際立った。「労働参加率」などは改善したものの、「賃金の同等性」と「管理職」は順位も評価も悪化。中でも「管理職」はきわめて低い。背景には、男性優位の日本企業の構造問題が横たわる。

 遠心分離機の保守作業などを手がける神奈川県平塚市の会社に勤める女性は2007年に入社後、はたと気づいた。「(男性との)賃金格差がある」。この会社では、女性は全員が一般職、男性は全員が、賃金の高い総合職。入社時はそうした区分があることや、自分が一般職として採用されることについて説明はなかった。「業務内容は同じなんですよ」と女性は話す。

 上司との面談で、総合職への転換を繰り返し訴えた。会社は総合職への転換制度を設けているのに、上司は言葉を濁すばかり。14年、当時の社長に面談で「女性に総合職はない」と言われたという。

 別の女性はフリーペーパーの求人に応募し、選考を経て08年にこの会社に入った。その後、同時に入社した男性は総合職、女性は一般職と知った。「同じ試験なのに納得できなかった。このご時世におかしい。黙って受け入れる気持ちにはならなかった」

 2人は、個人でも加盟できる連合ユニオン神奈川に入って団体交渉をしたが、納得のいく回答が得られず、裁判に訴えた。横浜地裁は今年3月、総合職への転換の機会を与えなかったのは男女差別にあたるとして会社に慰謝料100万円ずつの支払いを命じた。

 ただ、2人が会社側に求めた総合職との賃金格差分の支払いは認められず、一般職採用も「一応の合理的理由」があるとされた。女性の1人は言う。「差別的な職場で悔しい思いをしている女性はたくさんいると思う。(男女格差ランキングが)今回120位と聞いて、やっぱりな、という感想です」

 厚生労働省の20年の調査では、女性の賃金は男性の74・4%。正社員に限っても女性は男性の76・7%しか賃金を受け取っていない。今回発表のランキングでも、経済分野のうち「賃金の同等性」は156カ国中83位と前回より順位を下げ、評価も同2・1ポイント減の65・1点となった=表。

女性役員、8年で4倍増 それでも6.2%

 男女格差報告書で、「管理職」は139位、評価は17・3点と、経済分野で最低となった。相対的に賃金が高い管理職が男性に偏っている実態は、賃金格差と地続きだ。

 内閣府によると、上場企業の…

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

Think Gender

Think Gender

男女格差が先進7カ国で最下位の日本。生きにくさを感じているのは、女性だけではありません。だれもが「ありのままの自分」で生きられる社会をめざして。ジェンダーについて、一緒に考えませんか。[記事一覧へ]