不妊治療は少子化を救うのか 女性のために必要なことは

有料会員記事

聞き手・杉原里美
[PR]

 菅政権は、少子化対策として、不妊治療への保険適用を掲げ、治療費への助成を拡充しています。リプロダクティブヘルス&ライツ(性と生殖に関する健康と権利)に詳しい塚原久美さんは、国が不妊治療を推進することには慎重になったほうがいいと指摘します。

 ――不妊治療の推進を、どう思いますか。

つかはら・くみ 1961年生まれ。金沢大学非常勤講師。中絶問題を研究する「RHRリテラシー研究所」代表。主著に「中絶技術とリプロダクティヴ・ライツ:フェミニスト倫理の視点から」がある。

 お金がない人でも治療を受けられるようになるのは、リプロの観点からいうと悪いことではありません。ただ、治療に追い込まれて、精神的に苦しむ女性たちが出てくることが懸念されます。顕微授精体外受精が成功しなかった場合、女性の10人に1~2人は、臨床的に問題となるほど深刻なうつ症状を患っていたというデータがあります。

 すでに日本は、中国に次ぐ不妊治療大国です。費用の負担が軽くなったら、もっと増えるでしょう。40歳未満は6回、40歳以上43歳未満は3回、1子ごとに助成を受けられるようになったので、複数の子を持つために10回以上受ける人も出てくるかもしれません。国がお金を出すことで治療に誘導され、有効性が高くないのに期待して傷つく女性が増えるのではないかと心配です。

 ――有効性が高くない治療なのですか。

 ある研究結果によると、不妊…

この記事は有料会員記事です。残り1686文字有料会員になると続きをお読みいただけます。