社長らの関与「不十分だった」 柏崎刈羽のテロ対策不備

桑原紀彦、小坪遊
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 東京電力柏崎刈羽原発新潟県)でテロ対策の不備が相次いだ問題で、原子力規制委員会は31日、東電が不正侵入を検知する設備の点検や改善活動を怠り、経営層の関与も不十分だったと断定した。同日、原子炉等規制法にもとづき、核燃料の移動を禁じる是正措置命令を東電に通知した。

 規制委によると東電は、核物質防護のため、立ち入りが制限される区域で、不正侵入を検知する設備が故障したのに、保守や点検を行わず、機能を保てなかった。自社の規定で1年ごとに行うと定めた定期評価や改善活動の記録は残っていたが、結果として外部からの侵入を許しかねない状況が長期間続いた。一連の評価や改善には小早川智明社長ら経営層も関与することになっていたという。東電の記録などを調べて分かった。

 柏崎刈羽原発では、昨年3月以降、複数の検知設備が故障し、代替措置も不十分な状態が、複数の場所で30日以上続いていた。昨年9月には、社員による他人のIDを使った中央制御室への不正侵入も発生。今回、点検などの日常的な対策にも問題があったことが判明した。規制委は、背景に組織的な安全文化の劣化があるとみており、社長らの関与や問題をどこまで認識していたのかなども調べる。

 今後、4月7日まで東電の弁明を受け付けた上で是正措置命令を決定する。東電は、国際原子力機関(IAEA)の査察などの特別な場合を除き、柏崎刈羽原発では燃料を炉に搬入したり、使用済み燃料を搬出したりできなくなる。命令は、東電が核物質防護の姿勢を自主的に改善できる状態になったと規制委が判断するまで続く。(桑原紀彦、小坪遊