貨物運んで親しまれ…秋田臨海鉄道、半世紀の歴史に幕

松村北斗
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 秋田県第三セクター秋田臨海鉄道(秋田市、志水仁社長)が31日、約半世紀にわたる鉄道事業を終えた。

 1970年に県、国鉄(当時)、関係企業によって設立、JR貨物と連携して秋田港周辺の事業所の貨物を運んできた。だが産業構造の変化やトラック輸送の増加などを背景に72年度の67万トンをピークに扱い量が減り、2019年度は7・5万トンまで落ち込んだ。

 社員が運転や誘導、点検などいくつもの役割をこなすことなどで効率化や、安全面の強化を図ってきたが、最終的に採算がとれなくなったという。北線(2・5キロ)は15年から休止。南線(5・4キロ)は今年3月8日から「惜別」と書かれたヘッドマークを付けて走り、12日に定期コンテナ列車の運行を終えていた。

 十勝鉄道で運行後、秋田で主力として働いた機関車の1両は3月に仙台臨海鉄道に譲渡された。鉄道施設の撤去などは今後、県と協議するという。

 31日、同社のウェブサイトに志水社長は感謝の言葉を載せた。「半世紀、決して順風満帆とはいえない足取りでしたが、地元に密着した貨物鉄道として、地元、鉄道ファンの皆様に親しまれてまいりました。企業として難題を抱えたり、苦境に立たされたりすることも多々ありました」と振り返った。そのうえでこう記した。「その都度、社員が一丸となって困難を乗り越え、活路を見出してまいりました。経営者も社員も変わらない貨物鉄道輸送という安全を第一に考える仕事を通して結ばれた気持ちがあったからこそなしえた成果ではないかと思います。(中略)皆様に万感の思いをもって感謝の気持ちをお伝えし、お別れとさせていただきます」(松村北斗)