第3回日米欧が列をなす「黒衣」企業 台湾が握る対中カード

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福田直之、台北=石田耕一郎
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半導体ウォーズ 第3回

 「自動車向け半導体需給が逼迫(ひっぱく)している。増産をお願いしたい」

 世界的な半導体不足で自動車生産が滞り、経済産業省は台湾の半導体メーカーに助けを求めた。日米独の政府は昨年末以来、台湾当局に相次いで半導体増産の陳情に走った。台湾当局は1月、半導体関連の企業を集めた会議を招集。行政が民間企業に増産を求める異例の措置だった。与党・民進党の立法委員(国会議員)は「日米欧に貸しを作るためだ」と解説する。

 台湾は今、世界の半導体生産の一大拠点となっている。その中核が、世界の名だたる企業の半導体の製造を黒衣として一手にこなす、世界最大手の半導体受託生産会社(ファウンドリー)の台湾積体電路製造(TSMC)だ。

 昨年9月、中国通信機器大手、華為技術ファーウェイ)に対する米国の輸出規制で、TSMCは2019年に売り上げの14%を占めていたとみられる華為向けの半導体を生産できなくなった。それでも、TSMCの昨年10~12月期の純利益は、前年同期比23%増。四半期として過去最高の1427億台湾ドル(約5500億円)となった。世界499社(19年)の分厚い顧客は、常にTSMCの製造ラインを奪い合っている。華為の抜けた後はすぐに埋まった。

 20年に売り上げの25%を占め、TSMCの最大の顧客だったとみられるのが米アップルだった。20年10月に発売されたiPhone12シリーズには、アップルブランドの半導体「A14」が使われている。これらを製造しているのもTSMCだ。

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