俺の指導、間違ってた?常識覆す柔道家がめざした先は

有料会員記事

安田琢典
【動画】皇学館大柔道部のゲーム感覚のウォーミングアップなど=安田琢典撮影
[PR]

 厳しいながらも楽しさを体感できる柔道の指導法を追い求める若き指導者が、三重県伊勢市の皇学館大学にいる。柔道部を強豪に育て上げた一方で、見る側も楽しめるように、音楽に合わせたリズミカルな動きを柔道に採り入れていて、未経験の学生たちにも受け入れられている。

 キャンパス内の総合体育館にある道場は、柔道部員たちの大きな笑い声に包まれている。約3時間の練習のうち、たっぷり1時間近くかけるゲーム感覚のウォーミングアップは、見ているだけでも楽しそうだ。

 テニスボールを使ったキャッチボールをして体をほぐした後、部員たちは2人1組になって、太ももの上に置いた帯を奪い合う。

 ほかにも、畳の上に置いた帯を使った鬼ごっこのような動きがあったり、じゃんけんで負けた部員が腕立て伏せをしたりする。

 2年生部員の寺本みやびさん(20)は「見た目以上に息が上がるが、すごく楽しい。遊びの要素が入った練習は大学に来て初めて経験した」と笑顔を見せる。

 こうしたメニューを考案するのは、教育学部准教授で、柔道部の監督を務める佐藤武尊さん(36)だ。

 ウォーミングアップの持つ意味は、筋肉を温めて関節の可動域を広げるとともに、血流を高め、酸素を取り込みやすくすることだ。佐藤さんは「けがの予防につなげるために、心をほぐすことも重要だ」と説く。

 十分に体をほぐした後の練習は、佐藤さんが「他の強豪校と比較しても、ハードなほうだと思う」と話すくらい濃密な中身になる。

 ただ、道場に笑い声が響くようになるまで、実は紆余(うよ)曲折があった。

佐藤さんは大学時代、対外試合への出場停止処分を受けました。その間、子どもたちに柔道を教えたことが新たな「気づき」につながったそうです。記事後半で紹介します。

 佐藤さんはかつて、全日本柔…

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。