[PR]

 大村秀章・愛知県知事へのリコール署名の偽造事件は、署名簿への書き写しの原本になった名簿は何か、誰がどう入手したのかなどが不透明なままだ。署名活動を支援した名古屋市の河村たかし市長は、署名簿の原本について「(犯人が)東京の業者から名簿を買ったのでは」との認識を示した。

 河村氏は、1日の記者会見で「独自調査」をしていると話し、「関係者の話では電話帳や住民基本台帳などを扱う名簿業者が多数ある。この名簿が佐賀へ行き、書き写された」との推論を述べた。一方、自身の支援団体が2010年の名古屋市議会リコール署名で使った約3万人分の受任者名簿を、今回使ったことは「政治活動には使える」と正当性を改めて強調した。

 この日は「正当に署名活動をした人には、不正に早く気づけなかったことは申し訳ない」と謝罪した。偽造疑惑の浮上後に「僕も被害者」と発言したことは「『河村さんが首謀者』というニュアンスがあり、加害者じゃないんだという意味で発言した。もう言わない」と釈明した。

 大村氏は1日、記者会見で「河村氏らは何が起きたのかを調べて説明する責任がある。残念ながらいまだに明快な説明はない」と改めて批判した。

 リコール署名は昨年8月、美容外科「高須クリニック」の高須克弥院長らが集め始めた。約43万5千筆を提出したが、県選挙管理委員会が今年2月、約83%にあたる約36万2千筆に無効の疑いがあり、うち約90%が複数の人が何筆も書いたと疑われるなどの調査結果を公表した。愛知県警が先月26日までにすべての署名簿を押収し、地方自治法違反(署名偽造)容疑で捜査している。(関謙次、藤田大道)