被災した老舗温泉、再生・奮闘中 うれしい誤算わき出た

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後藤たづ子
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 2016年の熊本地震で泉源が被災し、長く再開のめどが立たなかった熊本県南阿蘇村の栃木(とちのき)温泉が復活に動き出した。近くには今月7日、地震で崩落した阿蘇大橋に代わる新阿蘇大橋も開通する。旅館の一つは、新しい経営者がこれまでにない形の温泉リゾートホテルに再生させようと奮闘中だ。

 栃木温泉は阿蘇大橋がかかる立野峡谷近くの白川沿いに湯が湧き、2軒の老舗旅館が親しまれてきた。立野ダム建設に伴い川端から近くの高い場所に移転後も、同じ泉源から湯を引いていたが、熊本地震で川辺が大きく崩れ、湯を引けなくなっていた。

 2軒とも温泉の復活を当初は模索していたが、明治時代から続く荒牧旅館が再開を断念。19年秋、阿蘇市の内牧温泉の旅館「蘇山郷」社長の永田祐介さん(48)が地元の人から話を聞き、高校時代からの友人で、熊本市で自動車販売会社や投資・コンサルティング会社を経営する松原正恭さん(48)に相談した。そこから2人で旅館を再生させる話が動き出した。20年春に新会社「K.M.A SPA&RESORTS」を設立し、土地建物を買収。温泉などの権利を前の旅館から引き継いだ。

引けなくなった湯が、井戸から

 ところがリニューアル工事にかかろうとした矢先、予定していた業者が新型コロナウイルスの影響で契約直前に倒産。今年2月中旬にようやく着工できた。

 一方でうれしい誤算もあった。温泉は元の泉源からパイプで引き直すと莫大(ばくだい)な経費がかかることが分かり、敷地内で掘削することにしたが、先にプール水用の井戸を掘っている途中の地下200メートルで、元の源泉と同じ泉質の湯がわき出した。

 改修では、家族で気軽に泊まれる部屋やビジネス滞在向きの部屋、露天風呂付きのスイートルームまでそろえる計画。ワーキングスペースやキッチンスペース、ロビー横にはプールも設け、約5千坪ある敷地にはキャンプ場も整備する。1泊2食付きという従来の温泉宿のスタイルは変え、夕食は提供しない。代わりに村内の食事どころなどへの送迎サービスをするという。

 「新型コロナ前から計画して…

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