アスリートの生理の悩み 「話すこと当たり前になれば」

野村周平
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 月経(生理)に悩む女子アスリートに寄り添える場をつくり、不安なく競技を続けられるスポーツ界にできないか――。競泳元日本代表の伊藤華英さんらが中心となって1日、教育プログラム「1252プロジェクト」をスタートさせた。

 「1252」の名は1年間52週のうち、およそ12週が月経期間であることに由来するという。女性特有の生理現象だが、これまで月経に関する悩みが公に語られることは少なかった。伊藤さんは「資料では約7割のアスリートが月経トラブルを放置している。そういうことで競技をやめる選手が1人でも減ればいい」と語る。

 伊藤さん自身も苦しんだ経験を持つ。2008年北京五輪の競技日程が月経と重なることがわかり、本番2~3カ月前から月経をずらすためにピルを服用した。すると「感覚的に体重が増えた気がした。とてもつらい思いをした」と振り返る。

 当時はピルの正しい使い方を知らなかった。体の負担が少ない低用量ピルの存在を知っていれば。婦人科に相談して1年前から計画的に使っていたら――。「タラレバ」を言っても仕方ないけれど、後輩たちに同じ思いはしてほしくないという。

 コロナ下で試合がなくなった学生の進路支援を進める一般社団法人「スポーツを止めるな」の活動の一環。同法人理事を務める伊藤さんは、元ラグビー日本代表の廣瀬俊朗さんらとともに、月経とアスリートに関する実態調査などの発信、部活動の学生や指導者らに向けたセミナーを開催していくという。

 伊藤さんは「以前だったら、こういうプロジェクトを立ち上げることも難しかった。私たちが信頼される場所としてみんなにシェアされて、生理を話すことが当たり前になればいい」と意気込む。

 同法人は公式ホームページ(https://spo-tome.com/1252-contact/別ウインドウで開きます)でプロジェクトに賛同する中・高・大学を募集している。(野村周平)