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 兵庫県内に出されていた新型コロナウイルス対応の緊急事態宣言が1日解除された。飲食店の営業時間の短縮要請も、当初の解除期限だった7日までは、午後8時から午後9時に緩和された。3月は送別会シーズン。団体客を受け入れてきた神戸市内の中華料理店にはようやく予約が入り始めたが、見通せない先行きに不安も抱える。

 「宣言解除が決まった2月末以降、予約や問い合わせの電話が入り始め、光が見えてきた」

 神戸・三宮の中国料理「萬寿殿(まんじゅでん)」。1~6階に最大500席を設け、例年3~4月は企業の送別会や歓迎会の団体客でにぎわう。予約が入らない日が続いたが、宣言解除で期待が持てそうだという。

 この1年、大人数での会食が敬遠された。毎月の売り上げは前年の1割ほど。中高生の修学旅行が海外から国内にシフトし、修学旅行客の予約は例年より多く入ったが、結局、大半がキャンセルや延期に。感染の「第3波」が忘年会シーズンと重なり、昨年12月は数件の団体客だけだった。

 今年1月には2度目の緊急事態宣言。飲食店への時短要請で、2月末までは午後8時までの営業となった。店を開ければ、電気代やゴミの回収費などがかさんでしまう。店を開けたのは1月は2日間だけ、2月も10日間ほどだった。

 2回目の宣言も解除された。例年3月は昼夜あわせて1万人近くの客でにぎわうが、その2~3割が入ればと期待する。戎谷(えびすたに)昌樹社長(58)は「創業54年間で経験したことのない苦しさで、借り入れや助成金でしのいできた。1月以降、予約の電話がなかったが、ムードが変わりつつある」。

 店では感染防止のため、中華料理の魅力でもある大皿料理の提供をやめ、1人ずつ皿に盛り付ける個食で提供。また、1テーブルの座席数は8~10人から4人に減らした。酒は手酌にするよう提案するなどしているという。

 一方、同じ三宮の中華料理店「神仙閣」は見通しはつかず、3月半ばまで様子見が続きそうだとみる。

 店は結婚式や講演会の会場としても使えるホールを持ち、最大約800席。しかし昨年は、春の歓送迎会や忘年会などのかき入れ時を棒に振った。団体客の予約は2万席以上キャンセルされ、売り上げは9割落ちた。3~4月は1年前から予約が入るが、すでに数十件のキャンセルが入った。特に官公庁や企業名での予約がなくなったという。

 今は家族連れなど少人数での昼の利用が中心になった。川元隆社長(55)は「少人数のグループに分かれて忘年会をしてくれたり、テイクアウトを利用してくれたりするお客さんに励まされている」。

 ただ、宣言解除が決まった2月末から一般客の予約が入り始め、人数も2~3人から5~6人に増えつつある。中島正美・総支配人(63)は「『会食は4人まで』といったメッセージが客足に大きく影を落としている。人数の緩和が打ち出されないと、大きな好転は見込めない」とこぼす。(五十嵐聖士郎)

     ◇

 時短要請は緩和されたが、1時間の延長だけ。神戸市中央区でバーを経営する男性(39)は「バーの多くは午後9時から10時以降がメイン。業界的には焼け石に水」と苦笑い。「協力金もあって要請には従っているが、8日以降の方針を早めに示してもらいたい」と注文をつける。

 同じく中央区でショットバーを営む男性(46)は「居酒屋など時間制のコースがある店では、1時間の延長にも意味がある。午後7時ごろから客足が増えるバーでは、通常営業に戻れないと意味がない」と話す。(足立優心)

県内の緊急事態宣言解除でどう変わる?(7日まで)

●不要不急の外出自粛の徹底

午後8時以降→午後9時以降

●出勤抑制

出勤者数7割削減の目標→変わらず

●飲食店

・営業時間の短縮要請

午後8時まで→午後9時まで

・酒類の提供

午後7時まで→午後8時まで

・時短営業への協力金

1日6万円→1日4万円

●イベント

・開催時間

午後8時まで→午後9時まで

・人数制限

上限5千人。屋内は収容率50%以下→変わらず

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