クマやサルに餌づけで罰金30万円 「呼びかけに限度」

戸田政考
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 クマやサルなどの野生動物に国立公園などの一部で餌づけをすると30万円以下の罰金が科せられる。そんな規定を盛り込んだ自然公園法の改正案が2日閣議決定された。餌づけする人が後を絶たず、野生動物が人になれて事故の危険が高まっているためだ。環境省は「マナーとしての呼びかけでは限度がある」として罰金化に踏み切った。今国会で成立すれば来春から施行される。

 対象は、国立公園や国定公園でも特に自然が豊かな「特別地域」と、宿泊施設やビジターセンターなどが集中する「集団施設地区」。現在は自然とふれあう上でのマナーとして餌づけしないよう呼びかけているが、聞いてもらえないこともある。改正案では、餌づけなどを、野生動物の生態に影響を与え、公園利用に支障がでるおそれのある行為として規制する。環境省や都道府県の職員が指示できるようになり、従わなければ罰金の対象になる。

 環境省によると、北海道の知床ではヒグマにソーセージなどで餌づけするケースがある。人になれて道路まで出てくるヒグマや、撮影しようとヒグマに接近する人もいて、事故のリスクが高まっているという。ほかには、栃木県の日光などでニホンザルへの餌づけが問題になっている。(戸田政考)

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