「50年実質ゼロ」法律へ 都道府県は再エネ目標義務

戸田政考
[PR]

 温室効果ガスの排出を2050年までに実質ゼロにする政府目標を明記した地球温暖化対策推進法の改正案が2日、閣議決定された。温暖化が深刻さを増す中、脱炭素社会への取り組みの実効性や継続性を高めるのが狙い。具体的な年限を法律に書き込むのは珍しいという。今国会での成立を目指す。

 排出削減の具体的な施策や目標は、これまで法律に基づく計画で定めてきた。だが、16年11月に温暖化対策の国際ルール「パリ協定」が発効。今世紀末の気温上昇を2度未満、できれば1・5度以内に抑えることをめざし、120カ国以上が「50年実質ゼロ」を掲げている。政府が「50年実質ゼロ」を宣言したのは昨秋で、根拠を明確にする必要性が指摘されていた。

 改正案では基本理念という項目を追加し、「50年までの脱炭素社会の実現」と、目指す姿と年限を記載。脱炭素社会は、温室効果ガスの排出量と吸収量の「均衡が保たれた社会」と定義した。目標を計画でなく法律で定めることによって、政権がかわっても脱炭素の方向性は継続するようにした。

 また、都道府県や政令指定市などが定める実行計画に、再生可能エネルギーの目標値などを設定するよう新たに義務づける。市町村には再エネの「促進区域」を作るよう促す。ただ、再エネ拡大をめぐっては、各地で住民と事業者が合意形成がうまくいかずトラブルになるなど課題も多く、法改正が再エネ拡大にどこまで効くかは不透明だ。(戸田政考)