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 奈良市の奈良公園で2月、国の天然記念物のシカを死なせたとして、奈良県警は2日、三重県松阪市久保町のとび職、吉井勇人容疑者(23)を文化財保護法違反の疑いで逮捕し、発表した。「シカと遊んでいたときに車に体当たりしてきて腹が立った」と供述し、容疑を認めているという。

 県警生活環境課によると吉井容疑者は2月7日ごろ、奈良公園内で雌のシカ1頭(推定11歳)の頭に鋭利で厚みのある刃物をたたきつけて死なせ、天然記念物を失わせた疑いがある。

 同課によると、同日午前2時25分ごろ、通行人の男性から「負傷して動けなくなっているシカがいる」と110番通報があった。奈良署員が駆けつけると、シカが頭から血を流して倒れていたという。

 シカの保護活動に取り組む団体「奈良の鹿愛護会」が保護したが、同日中に死んだ。死因は前頭部損傷による失血死だった。県警は周辺の防犯カメラの映像などから吉井容疑者を特定。吉井容疑者は「殺してやると思ってオノで力いっぱい切りつけた」などと供述しているという。

 奈良のシカは1957年、文化財保護法に基づいて天然記念物に指定されている。(竹中美貴)