聖火辞退の理由 「諸般の事情」にするよう県側が提案

横山輝
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 東京五輪パラリンピック組織委員会の森喜朗前会長(83)の女性蔑視発言を理由に、長崎県佐世保市の大学院生諸国麻椰(もろくにまや)さん(26)が聖火ランナーを辞退した際、長崎県の担当者が辞退理由を「諸般の事情」にするよう提案していた。これを断った諸国さんは「森会長という言葉を消したいように感じた」という。

 諸国さんや県によると、聖火ランナーに内定していた諸国さんは2月24日、「森氏の女性蔑視発言があった。組織委は会長を変えるだけで問題解決になっていない」などとして、辞退を申し出るメールを県に送った。県の担当者は26日、県内の聖火ランナーを公表する直前、諸国さんの辞退の理由について「組織委への不満」と発表することをメールで提案。さらに8分後に「諸般の事情」と改めて提案するメールを送った。諸国さんは断り、県のサイトにはこの日、森氏の発言が辞退の理由だと記載された。

 県スポーツ振興課の担当者は取材に対し、「本人への影響を懸念した。余計な配慮だったかもしれない」と説明。大学院で男女共同参画について研究している諸国さんは「県側から文言を提案されたことに、忖度(そんたく)のようなものを感じた」と話した。(横山輝)