豪雨被災地の復旧復興 県、ロードマップを公表

伊藤秀樹
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 熊本県は2日、昨年7月の記録的豪雨で甚大な被害が出た球磨川流域市町村の復旧や復興の工程表(ロードマップ)を公表した。流域治水の取り組みや被災者の生活再建、まちづくりや集落再生、道路や鉄道の復旧など重点10項目について今後3年間での到達イメージを示した。川辺川の流水型ダムや遊水地の整備は含まれていない。

 重点10項目はほかに防災のソフト対策、なりわいの再建や新産業創出、農林水産基盤の復旧、インフラの創造的復興、観光の復活など。県が昨年11月に公表した「復旧・復興プラン」から、目に見える成果が求められ、安全安心の確保や生活再建に直結する項目を選んだという。

 河川の対策では、今年の出水期までに県管理河川に堆積(たいせき)した土砂の撤去を完了させる。2023年度末までに計画的な河道の掘削や堤防や護岸などの河川施設の復旧を実施する。防災のソフト対策では、今年の出水期までに必要な世帯への戸別受信機設置を完了させ、21年度末までに全世帯への設置を目ざす。田んぼダムの取り組みは今年の出水期までに8市町村でモデル地区を選定。水稲や葉タバコへの影響などを検証し、人吉・球磨地域への普及を進める。

 住まいの再建は、被災者一人ひとりの意向に沿った支援策を用意し、23年度末までの仮住まいの解消を目ざすという。災害廃棄物は今年12月までの処理完了を示した。

 一方、JR肥薩線の復旧については具体的な工程を示していない。JR九州による復旧費用の算定や復旧方針の検討を受け、関係者で協議するとした。くま川鉄道に関しては、23年度末までに部分運行や全線運行に向けた工事の実施を掲げた。

 蒲島郁夫知事は会見でロードマップについて「球磨川流域の創造的復興に向けて目ざすべき目標であり、必ず復興を成し遂げるという私の決意の表れだ」と述べた。(伊藤秀樹)