ドクター・スース絵本6冊が出版中止 描写「人種差別」

ニューヨーク=藤原学思
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 米国で最も有名な児童文学作家の一人、故ドクター・スース(本名=セオドア・スース・ガイゼル)さんの権利管理会社は、スースさんの誕生日の2日、内容が人種差別的だとして、絵本6冊の出版をやめる意向を明らかにした。

 出版が中止されるのは「マルベリーどおりのふしぎなできごと」「おばけたまごのいりたまご」など。同社は声明で「教育者を含む専門家たちと協力してカタログを見直した。これらの本は有害かつ、誤った方法で人びとを描いている」と理由を説明した。

 スースさんの著作をめぐっては近年、アジア人や黒人の描き方が不適切だとする批判が相次いでいる。トランプ前大統領の妻メラニアさんが2017年、スースさんの著作10冊を学校に寄贈したところ、司書が「彼のイラストは人種差別的なプロパガンダや風刺画、有害なステレオタイプが染みついている」として、蔵書には加えないと公表した。

 例えば「マルベリー」では、目のつり上がった中国人が、円錐(えんすい)形の帽子をかぶって箸とどんぶりを持つ姿で描かれている。18年にはスースさんの博物館から、この中国人を描いた壁画が撤去された。

 スースさんは1984年、ピュリツァー賞特別賞を受賞。91年に死去した後も「いじわるグリンチのクリスマス」「キャット・イン・ザ・ハット」などの絵本が世界100カ国以上で読まれている。フォーブス誌は昨年、「セレブの死後収入ランキング」で、マイケル・ジャクソンさんに次ぐ2位に選出した。(ニューヨーク=藤原学思)