ベルリン=野島淳
欧州各国が中国の軍事的台頭に警戒を強めるなか、ドイツがフリゲート艦を派遣し、中国による軍事拠点化が進む南シナ海を航行させる計画をしていることが分かった。朝鮮半島沖で北朝鮮に対する国連制裁の監視活動にも加わる。海外領土を持たないドイツにとって、アジア地域への艦船派遣は異例で、中国を牽制(けんせい)する形だ。日本など地域の国々と安全保障で連携強化を目指す。
ドイツ国防省と外務省の高官によると、フリゲート艦1隻が8月初旬にドイツを出港。マラッカ海峡などを通り、オーストラリアに寄港する。その後、年末にかけて数週間、朝鮮半島沖の監視活動に加わる。北朝鮮が洋上で制裁品目を違法に積み替えるのを監視する活動には、日本のほか米英仏豪などが携わっている。
さらに、フリゲート艦は2022年2月末にドイツに帰る予定だが、その帰路で中国が軍事拠点化を進める南シナ海を通る計画だ。米国の艦船は「航行の自由作戦」で、中国が領有権を主張する南シナ海の島々の沿岸から12カイリ(約22キロ)内を何度も航行している。
ただ、ドイツ両省の高官は、1…
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朝日新聞国際報道部