難産の妻みて「男女平等は違う」 向き合い方変えた町長

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聞き手・根本晃
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奈良県三宅町長・森田浩司さん

 人口約7千人、面積も全国で2番目に小さな町で、若手町長の「働き方」が注目を集めています。奈良県三宅町の森田浩司町長(36)が取り組んでいるのは、子育てをしながらの「無期限の時短勤務」。かつては夜遅くまで仕事し、飲み会に参加することが当たり前だったという森田町長ですが、仕事への向き合い方が変わったきっかけは妊娠中の妻の姿と町職員の助言だったといいます。

     ◇

 2020年1月に長男が生まれてから、必要に応じて1日数十分から2時間程度早く帰る「時短育休」を実践しています。

 18年に訪問看護師の妻(31)と結婚しました。選挙で4年に1回無職になる可能性がある人と結婚してくれる人はいないだろうと思っていたので、半ば諦めていたのですが。向こうも仕事が好きで、交際中から子どもが生まれても共働きでいこうと決めていました。

 妻が妊娠し、ホルモンバランスで体調が日々変化するのを目の当たりにしました。妊娠中でこれだけしんどいなら、出産後はもっとのはず。どうやって仕事と育児を両立するか。町の職員に相談すると、「町として子育て支援を掲げているんだから、トップがやらないと」と言われ、時短育休を決めました。職員が後押ししてくれたのはすごく大きかったです。子育てはずっと続くものですから、期間は無期限としています。

 出産を経て、ジェンダーについて考えました。妻は35時間の難産で、本当に命がけだった。だから、男女を「平等」と捉えるのは違うと思う。同じことを同じように求めるべきではない。育休にしても、男性は身体的なダメージはないけど、女性はけがをしているのと同じ状態で、子育てだけでなく、自分の回復も含まれる。

 男性が家事をして、隣で女性が寝ていても、休んでいるわけではない。回復のために必要なんです。女性にこれほどの精神的、身体的な負担があることを、男性は忘れてはならない。困っていることは何か、コミュニケーションをとってお互いに理解することが大事だと思います。

子育て当事者の目線から町の課題も

 子どもが生まれる以前は仕事ばかりしていました。毎日午後8時、9時まで役場に残ったり、飲み会に参加したり。子どもが生まれてからは業務を効率的に行うようになった。夜の打ち合わせを減らし、5時半に帰ると決めたら、それまでに全て終わらせるようにしています。

 よく考えれば、出産前もしよ…

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