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 登山家や冒険家を中心に「日本人の地球体験の共有と記録」を掲げて始まった「地平線会議」の会報誌が、新型コロナウイルスの感染拡大で海外渡航が難しいなか、発行500回を超えた。結成から40年以上続く会は、ユニークな体験や価値観を共有する場となってきた。会報誌は、コロナ禍の日本や世界各地の暮らしを記録し続けている。

 「日本人の探検、冒険、手作りの地球体験を知り、その行動の軌跡を記録にとどめよう」。1979年8月、読売新聞の記者だった江本嘉伸さん(80)の自宅に登山家や冒険家らが集い、ある会を作った。

 日本人の海外渡航が自由化されてから15年、年間の渡航者が初めて400万人を超えた年だった。「世界初」や「未踏峰」の冒険は減り、地図上の空白地帯が消え始めていた。「ふつうの人」が日本を飛び出して体験する経験を報告しあい、記録する――。そんな目的で始まったのが地平線会議だった。

 名付け親は、江本さんの大学時代からの登山仲間、宮本千晴さん(83)だ。「忘れられた日本人」などで知られる民俗学者・宮本常一氏の長男で、大学の山岳部の一員として活動し、63年、東ネパールの空白地帯を初踏破した。「あの山の向こうには、もっと何かがある。そんな思いを地平線という言葉に込めた」と回想する。

 会には、宮本常一氏が所長となり、地方の生活や慣習を記録する機関誌を発行していた「日本観光文化研究所」からも多くの人が加わり、学術的な視点から影響を与えた。

 一方で、発足以来のゆるやかな雰囲気も持ち味の一つだ。会長も会則もなく、参加費500円を払えば、だれでも参加できる。参加費も年間2千円の購読料も、79年から据え置きだ。

 報告会には、関野吉晴、角幡唯…

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