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 病気の治療前に卵子や精子、受精卵などを凍結保存する「妊孕(にんよう)性温存療法」に対する助成について、厚生労働省の検討会は3日、対象となる病気や治療法の範囲を決めた。4月以降、準備が整った都道府県から助成が始まる。

 日本癌治療学会のガイドラインで妊娠能力に影響があるとされる治療(「超低リスク」を除く)のほか、乳がんのホルモン療法も対象となる。

 再生不良性貧血など造血幹細胞移植をする患者、全身性エリテマトーデスなどがん治療と同じ薬を使う一部の自己免疫疾患の患者も対象となる。

 凍結時に43歳未満の人が対象で、上限額は受精卵なら1回35万円、精子なら1回2万5千円で1人2回まで。

 学会や都道府県が登録・指定した施設で組織を採取することが条件だ。

 15歳未満の小児や15~39歳のAYA世代の患者の妊孕性温存は2010年ごろから広がっている。

 2月の検討会ではこれまでに少なくとも国内133例で凍結卵子などを使って妊娠したことが報告された。

 費用が高額で、まだ十分な経済力がない世代の負担になっていた。

 がん治療と生殖医療をする医療機関の連携が不十分で、凍結するかどうか選ぶ機会を逃した人もいる。検討会の委員からは、制度の周知を求める声が出た。(後藤一也)