核ごみ巡り、対立続く寿都町 調査前に住民投票実施へ

伊沢健司
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 国の「核のごみ原発から出る高レベル放射性廃棄物)」の最終処分場選定を巡り、北海道寿都町の町議会特別委員会が3日、住民投票条例の修正案を賛成多数で可決した。同町では選定プロセスの第1段階の文献調査が始まっている。修正案では、第2段階の概要調査の前と第3段階の精密調査の前にそれぞれ、調査を続けるかどうかの賛否を住民投票で問うとしている。

 片岡春雄町長は2日開会の町議会定例会で、精密調査の前に住民投票を実施するとした条例案を提案。3日に町議9人全員が出席する特別委で審議された。そこで小西正尚議長が、概要調査の前にも住民投票を実施するとした修正案を提案した。いずれの案も住民投票は文献調査の後となる。「核のごみ」に反対する議員はさらなる審議を求めたが、修正案は委員長を除く5対3の賛成多数で可決された。近く本会議でも審議され、可決される公算が大きい。

 寿都町では片岡町長が昨年8月に文献調査への応募検討を表明し、反対派の町議や住民を押し切る形で10月に正式に応募。11月に全国初の調査が同じ道内の神恵内村と同時に始まった。

 寿都町では、「核のごみ」反対派の住民が文献調査応募の賛否を問う住民投票条例の制定を求めて署名を集め、昨年11月に条例案が町議会に提案されたが否決された。その後も反対派の一部が町議会の調査賛成派へのリコール解職請求)を検討するなど対立が続く。

 3月3日の町議会特別委でも対立が続いた。片岡町長は新たな住民投票条例案について「町民の不安を和らげる」と提案理由を説明。ただ、住民投票を行うのは計6年間の文献調査と概要調査が終わった後だ。「核のごみ」反対派の町議は「町民が一番安心するのは文献調査を取り下げることだ」「(今秋に)町長選がある。いま条例案を決める意味がなく、廃案にすべきだ」などと主張した。

 特別委の開始から約1時間半後、文献調査を容認する立場の小西議長が修正案を提案。小西氏は、文献調査への応募は「町長の権限」としつつ「文献調査後に民意を問う必要がある」として、修正案で概要調査前にも住民投票を実施する文言を追加した。

 修正案の議論は1時間に満たず、反対派が「採決はだめだ」と声を上げるなか、特別委の木村真男委員長が採決。委員長を除く賛成5反対3人で修正案が可決された。以前は文献調査に反対した町議1人が今回は賛成に回った。

 核のごみについては、「受け入れ難い」とする道条例が2000年に制定されており、鈴木直道知事は概要調査の前に国に意見を聴かれれば反対する姿勢を示している。知事が反対すれば次の段階に進めないことになっている。(伊沢健司)