高知県内初 eスポーツで部活動 香南市の城山高校

加藤秀彬
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 対戦型ゲームで競う「eスポーツ」に取り組む高知県内初の部活動が、県立城山高校(香南市赤岡町)で始まった。現在の規則では、県立学校のパソコンでコンピューターゲームの使用は許可されていない。4人の部員は民間企業の支援を受けて活動し、全国大会への出場をめざす。

 同校の「ビジネス研究部」の中に「eスポーツグループ」を立ち上げた。3年の中元隆斗さん(18)が呼びかけた。個人でアマチュアのゲーム大会に参加した経験から「運動は得意じゃないけど、ゲームなら体格差はない」とeスポーツに関心を持った。一昨年冬に顧問の矢野卓哉教諭に相談した。

 中元さんの意向を受けて、学校側も環境整備に動き出した。矢野教諭は「将来的に香南市でeスポーツ大会を開催するほど活動が盛り上がれば、生徒がただゲームを楽しむだけにとどまらない価値がある」と考えた。

 だが、学校で「ゲーム」をするには壁があった。eスポーツは全国各地の相手とオンラインで対戦するため、高容量で高速のインターネット環境が必要だ。

 高知県では、県立高校でネットを使う場合、県教育委員会が管理する通信システムに接続する。「高知県教育情報通信ネットワークシステム管理要綱」は、ガイドラインで「有害情報から子どもたちを守る」と規定。コンピューターゲームや暴力、自殺などのキーワードに関連するウェブサイトの利用を認めていない。

 eスポーツ専用のパソコンや別の通信回線を準備すれば数十万円の費用がかかるが、その予算はない。そこで「全国高校eスポーツ選手権」の共催企業「サードウェーブ」(東京都)の支援プログラムを活用することにした。

 同社は2018年の第1回大会の開催に合わせ、eスポーツの部活動発足をめざす学校に専用のパソコンや回線を無償提供するプログラムを始めた。城山高校は昨年9月に申し込み、情報処理室にパソコン3台と高速通信回線を設置した。

 部員は来年度に予定されている「全国高校eスポーツ選手権」への出場をめざす。これまで県内の高校の出場はない。2~3人が1チームとなって戦うバトルゲーム「フォートナイト」、スポーツアクションゲーム「ロケットリーグ」の2種目に取り組む。

 今後の課題は、無償貸与が終わる1年後以降の活動だ。現在は予算やネット環境の見通しが立っていない。一方、県教委は県の回線について「eスポーツは全国で広がっている。今後のネットワーク構成の見直しやシステムの改善で運用が変わる可能性はある」としている。

 城山高校の山下英雄校長は「eスポーツの可能性は未知数だが、ご飯を食べている人がいるのも現実。何とか活動を前に進めていきたい」と話している。(加藤秀彬)