日本のスポーツ界に発信力を 片言英語でも自分の言葉で

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ロンドン=遠田寛生
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 東京オリンピック(五輪)・パラリンピックの大会組織委員会の会長交代劇を受け、日本のスポーツ界における課題があらためて浮き彫りになった。人材の育成や多様な意見を受け入れる環境、世界への発信力などの向上の必要性が指摘されている。特に発信力はどう身につけていけばいいのか。そんなことを考えていたら、参考にできそうなイベントが2月、欧州を中心に開かれていたことを思い出した。       

 時計をちらっとみた司会者がテンション高めに告げた。

 「今からみんなでちょっとしたゲームをしよう。それぞれに60秒をあげるから、将来のスポーツ大会がどうなるか表現してみて。じゃあ、まずはローザンヌから!」

 2月2日、パリのエッフェル塔につくられた仮設スタジオでのやりとりだ。「登壇者」は全部で7人。スタジオに少し距離を開けて4人が座り、3人はオンラインで参加した。

 まず話をふられたのがスイス・ローザンヌからオンラインで参加した国際オリンピック委員会(IOC)のクリストフ・デュビ五輪統括部長だ。「将来は明るいと思う…」と話し始めたが、いきなり時間をオーバー。司会者に「60秒のゲームだからね」とからかわれた。カヌーの五輪金メダリストで2024年パリ五輪・パラリンピック大会組織委のトニ・エスタンゲ会長は短くまとめすぎて失敗。「まだ30秒あるぞ」と指摘され、慌てて言葉を付け足すと、今度は数秒すぎてしまい苦笑いを浮かべる。

 ただ、その後は参加者の目つきは真剣になった。議論には書類などで選ばれた若者たちも加わる。1990年代後半から2000年代半ばごろに生まれた世代「ジェネレーションZ」で、時には容赦ない質問も浴びせた。

 たとえば五輪だ。一部の伝統種目について「若者からすればあまり魅力的に映らない。どうやって関心を高めるのか」と聞いた。受け止めたエスタンゲ会長は言葉を選びながら、「新しい競技や種目も大事だ。だが、全てを変える必要はないと思う。バランスの問題だ。中には象徴的な競技もあり、それを好む人たちもいる」と返すのがやっとだった。

著名アスリートも議論に続々

 これは2月1日から5日間かけて開かれた国際イベント、「グローバル・スポーツ・ウィーク(GSW)」の一コマだ。フランスのスポーツ省が2023年ラグビーワールドカップ(W杯)、24年パリ五輪・パラリンピックを見据えて、スポーツ界から様々な課題を考えようと企画した。社会や経済と結びつけスポーツ界のリーダーたちを集めている。

 顔ぶれは豪華だ。IOCや国…

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