[PR]

 診療報酬を不正請求したとして、詐欺罪と公電磁的記録不正作出・同供用罪に問われた三重大病院(津市)の臨床麻酔部元准教授境倫宏(みちひろ)被告(48)=津市=の初公判が4日、津地裁であった。三重大病院をめぐる一連の事件では企業側も含め計8人が起訴されており、裁判が開かれたのは今回が初めて。境被告は「間違いありません」と起訴内容を認めた。

 起訴状によると、境被告は2019年8月~20年4月、実際には使っていない薬剤を手術で使ったかのように電子カルテを改ざん。診療報酬を不正に請求し、約84万円をだまし取ったとされる。

 この薬剤は「小野薬品工業」(大阪市)の「オノアクト」。手術中に不整脈を起こした場合の緊急措置などで用いられる。境被告の上司だった元教授の亀井政孝被告(54)は、臨床麻酔部内でオノアクトを積極的に使う見返りに、奨学寄付金200万円を大学に振り込ませたとして第三者供賄罪で起訴された。境被告と共謀し診療報酬を不正請求した詐欺罪でも起訴されている。亀井被告と、部下だった元講師松成泰典被告(46)は、亀井被告が代表を務める団体の口座で医療機器メーカー「日本光電」(東京)側から200万円を受け取ったとされる事件でも第三者供賄罪で起訴されている。

 同病院は昨年9月、電子カルテの改ざんの事実を公表。大学側は公電磁的記録不正作出・同供用容疑で刑事告発し、津地検が昨年12月、境被告を同容疑で逮捕した。同病院では、昨年9月末に臨床麻酔部の麻酔科医6人が退職。その後も麻酔科医が次々に離職し、病院の医療体制に影響が出ていた。(村井隼人)