記念館はあるのに…雲仙噴火の大量資料、放置が続く事情

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小川直樹
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 雲仙・普賢岳長崎県)の噴火災害を記録した資料の収集や活用が進まず、後世への継承が危ぶまれている。43人が犠牲になった大火砕流から6月で30年。記憶が薄れる中、災害の教訓を再認識するのに記録資料は不可欠だが、地元島原市の保管資料は放置されたまま。民間に眠る資料も散逸しかねない状況だ。

 島原市の住宅街にある市有明農村環境改善センター。普段は無人で施錠されている施設の一室に、市の噴火災害関連の膨大な資料が眠っている。

 溶岩ドームの形を連日記録したスケッチの束があった。めくるとパラパラ漫画のように刻々と形を変える様子が分かる。作成した陸上自衛隊が市に寄贈した。ヘリから火口を撮影し続けたビデオテープもある。

 火砕流を疑わせる振動波形や避難状況、警戒区域など日々の状況変化を記録した火山災害経過表、世帯ごとの詳細な被災状況を記載した冊子――。大半は市の公文書で、その数約1万点。どれも当時を伝える一次資料ばかりだ。

 9年前に市に再雇用された元…

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