SF少年からSF評論家へ、巽孝之・慶大教授の転機とは

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文・加藤修 撮影・迫和義
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 慶応大学教授でSF評論家の巽孝之さん(65)は、1980年代半ばにいち早くサイバーパンクSFの勃興を紹介するとともに、日本SFの最先端を欧米に伝えるなど、世界的な活躍をしてきました。子どものころからのSFファンが、どのように世界デビューを果たしたのか。「世界への扉が開かれた」きっかけとなった思い出のSF雑誌について、巽さんに聞きました。

   

 SFに出会ったのは小学生のころです。コナン・ドイルの小説「失われた世界」やテレビ番組「ウルトラQ」や「インベーダー」に現れる恐竜や怪獣や異星人などのこの世のものならぬイメージに衝撃を受け、中学生のときにはすでにガリ版刷りのSF同人誌「科学魔界」を作っていました。

 高校生になってプログレッシブ・ロックにはまっていくのも、メロトロンやシンセサイザーといったハイテク鍵盤楽器の怪物が登場し、斬新でこの世のものならぬ音を感じたからです。何か新しいことが起きようとしている感じにひかれるんですね。

 EL&P(エマーソン、レイク アンド パーマー)の初来日公演はテレビで見ましたが、YES(イエス)の初来日公演は学生服のまま共立講堂まで聴きにいきました。

 SFとロックはもともと相性…

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