両陛下が被災地とオンライン交流 10年の歩みを傾聴

 天皇皇后両陛下は4日、東日本大震災の発生から10年を機に、岩手県釜石市陸前高田市の被災者らとオンラインで交流した。

 天皇陛下は、津波で家族4人を亡くした釜石市の鈴木堅一さん(77)に「ご家族を亡くされ、お悔やみ申し上げます。本当に大変な思いをされたのではないですか」などと話した。皇后雅子さまは2013年11月に釜石市を訪れたことについて触れ、野田武則市長に対して、仮設住宅の人たちと話したことを「とても印象に残っています」と語りかけた。

 陸前高田市の浅沼ミキ子さん(57)は、長男の健(たける)さん(当時25)を震災で失い、陛下から「ご長男を亡くされたことは本当に残念でしたね」と声を掛けられた。浅沼さんは津波避難の大切さを呼びかける絵本「ハナミズキのみち」を出版しており、交流後、「伝承活動はこれからだと思う。次世代につないでその子たちに託したい」と話した。

 今回の交流は、被災者らから震災後10年間のそれぞれの歩みが語られ、両陛下は時折大きくうなずきながら話を聞いていた。天皇陛下は「今後も色々大変なことがあろうかと思いますが、お体にお気をつけて」とねぎらった。

 両陛下は11年3月の震災発生後、岩手県宮城県福島県の被災3県を3巡し、被災者らと交流を重ねてきた。天皇陛下は今年2月の誕生日会見で震災について触れ、「被災された方々の力に少しでもなれるよう、被災地に永(なが)く心を寄せていきたい」と語っている。

 今回は、新型コロナウイルス感染症の影響により、両陛下のお住まいの赤坂御所(東京都港区)と二つの市がオンラインでつながれた。