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 海に沈んでいた大量のプラスチックごみ。富山湾で目にした光景に胸を痛めた男性がいた。お茶どころ静岡に、減りゆく茶葉農家を盛り上げたいと思う男性がいた。2人が協力し、新たな素材の植木鉢ができた。

 鼻を近づけるとほのかにお茶の香りがした。青々とした苗木が植わった小ぶりな植木鉢は、お茶を加工する際に出る廃棄部分と「生分解性プラスチック」を混ぜた「廃棄茶葉チップ」でできている。プラスチックは土に埋めると数年で水と二酸化炭素に分解され、環境への負荷が少ないのが特徴という。

 「お茶が未来を変えるかもしれませんよ」。植木鉢を手に、富山県射水市の原型師丸山達平さん(44)は力を込める。処分しやすいだけでなく、ごみが減り、お茶の養分は土を肥やす。考えられるメリットは多いという。

 丸山さんが廃棄茶葉チップを知ったのは昨年のこと。付き合いのあった静岡県牧之原市のプラスチック成形会社「ダイシン」の社長大石親嗣(ちかし)さん(40)が開発に携わっていたからだ。丸山さんの気持ちは高ぶった。数年前、富山県内で漁師をしていたころ、網を揚げると大量のプラスチックごみが入っていた。苗用ポット、肥料袋、植木鉢……。以降、海洋プラスチックの問題に関心を持ち続けていたといい、即座に感じた。「でっかい可能性のある素材。まず、知ってもらうことが重要だ」

 一方、環境に優しいだけでなく、減りゆく農家の力にもなる素材を手がけたいと考えていた大石さん。鋼材の加工販売を手がける「五十鈴(いすず)東海」(愛知県安城市)と協力し、生分解性プラスチックと廃棄茶葉を組み合わせるアイデアに行き着いたという。

 2人は話し合い、植木鉢と、静岡産のお茶の木をセットで届けることに決めた。素材のPRになり、環境に意識を向けてもらうきっかけにもなり、地域の活性化にもつながり、自宅の彩りにも……。色々な願いを込めている。

 商品化に向け、クラウドファンディング(https://www.makuake.com/別ウインドウで開きます)で2月から募集をスタートしたところ、早々に目標額(30万円)を超えた。

 「まだまだこんなもんじゃない。浸透させることで新たなコラボが生まれるかもしれない」。丸山さんの期待は大きい。(竹田和博)

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