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 農林水産省は5日、2050年に有機農業用の農地を100万ヘクタール(全体の約25%)に増やす目標などを盛り込んだ新たな農業戦略をまとめた。環境意識の高まりで、有機農産物への需要が拡大しているからだ。今後、普及に役立つ技術開発などを補助金で支援したり、有機農産物を扱うメーカーを減税したりする。

 いまの有機農業の面積は約2万3700ヘクタール(2018年)で、全体の0・5%。政府はこれまで30年に6万3千ヘクタールに増やすことをめざしてきたが、目標を大幅に引き上げる。50年までに化学農薬の使用量を5割減らすことも掲げた。

 実現に向け、新たな戦略では、除草ロボットやAI(人工知能)を活用した土壌の診断システム、低コストで有機肥料をつくる技術などの開発を助成し、手間をかけずに有機農業に取り組める環境づくりを進める。有機農産物を扱う食品メーカーや物流業者への税制優遇なども検討。関連する法整備や税制改正を22年度までに進める。

 日本では、化学肥料や化学農薬を販売するJAが有機農業の拡大に慎重だったことも、普及の足かせになってきた。しかし、農水省によると、世界で有機農産物を使った食品の売上高は1050億ドル(18年)と、この10年間で倍増。米国や欧州、中国で大半を占める。有機農産物やその加工食品の生産を増やすことで、農産物の輸出拡大にもつなげたい考えだ。(高木真也)