なぜ巨大で激烈だったのか 10年で見えた津波の真相

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藤波優、編集委員・佐々木英輔
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 東日本大震災では、巨大な津波が多くの人の命を奪い、沿岸の街を根こそぎ破壊した。ビルの高さを越え、内陸へと広がり、各地に思わぬ被害をもたらした。なぜこれほどの規模になったのか。この10年でどこまで解明が進んだのか。

拡大する写真・図版岩手県宮古市の旧庁舎から撮影された黒い津波=市提供

 東日本大震災の津波が大きくなった要因には、まず地震の規模が挙げられる。マグニチュード(M)は9・0。観測史上で世界4番目の大きさで、沈み込む海側のプレートと陸側のプレートの境界が南北500キロにわたってずれ動いた。

 さらに津波が大きくなる特徴も兼ね備えていた。海洋研究開発機構の小平秀一・海域地震火山部門長は、地震から数日後、調査船から送られてきた海底の音波探査データに目を疑った。どう見ても、プレートが沈み込み始める浅い部分が大きく動いたとしか思えない結果だった。

 「浅い部分は、泥のように普段からするするすべっていて、エネルギーをためない場所だと思われてきた。でも、そうじゃないという証拠が出てきた」と小平さんは話す。

 1999年に測定していたデータと比べると、宮城沖で浅い部分が50メートル以上ずれていた。この結果、海水が大きく持ち上げられて津波が巨大化した。海溝付近の斜面が動いて押し上げる形になった影響も加わったとみられる。

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