EU、男女の賃金格差公表を義務づけ 罰則も導入へ

ブリュッセル=青田秀樹
[PR]

 欧州連合(EU)は4日、男女間の賃金格差の解消に向けて、同種の仕事をする人の男女別平均賃金を従業員の求めに応じて開示するよう域内の企業に義務づける方針を決めた。250人以上を雇用する企業には毎年、男女格差を対外公表させ、「同一労働、同一賃金」の実現を目ざす。

 EUの行政を担う欧州委員会が発表した。欧州議会で法制化し、各加盟国が制度を整えたうえで、罰金や公的な入札からの排除といった罰則も設けるという。

 企業だけでなく役所などの公的部門も対象で、給与やボーナスのほか、交通費や住宅費の補助なども含めて格差の有無をみる。会社側に情報開示を義務づけて従業員の立場を強くし、労使紛争になった場合、差別が「ない」と示す責任を雇用者側に負わせる。

 また、採用にあたっては、過去の勤め先での給与を聞くことを禁じる。元の給与を参考にすることで格差が「再生産」されるのを防ぐためだ。

 欧州委によると、EU27カ国のうち約半数に賃金の透明性を確保するルールがあるものの、女性の賃金は男性より平均14%低いという。欧州委は「賃金の透明性の向上は従業員の満足度を高め、生産性も向上する。企業にとっては優秀な人材の確保につながる」と説明している。(ブリュッセル=青田秀樹)