ディズニー映画に代表される「プリンセス」に夢中の娘(5)。好きなものを思い切り楽しんでほしいのが親心だが、「シンデレラ」や「白雪姫」のように、王子様との結婚が人生のゴール扱いされる結論には、正直モヤモヤしている。これが「女性としての幸せ」なんて娘が思うようになったら、ちょっとしんどい。
ところが、最近のディズニープリンセス映画はちょっと違うようだ。プリンセスが戦ったり(映画「塔の上のラプンツェル」)、王子様は容姿端麗だけど中身がなかったり(「プリンセスと魔法のキス」)。ディズニー映画の中のプリンセスの変遷について、娘を持つ父親でもある映画評論家の町山智浩さんに聞いた。(聞き手・日高奈緒)
拡大する記者の娘(5)が大切にしているディズニープリンセスの人形や絵本など
――娘さんがいらっしゃいますが、一緒にプリンセス映画を見に行かれたことはありましたか?
実はあんまり見ていないですね。娘が幼かった2000年代はディズニー・アニメが不振だったんです。
特にプリンセスものは「ムーラン」(1998年米公開)を最後に作られなくなって、00年代は「ファインディング・ニモ」(03年)などピクサー・アニメがヒットを続けます。
――確かに、しばらくプリンセスが出てこない映画ばかりでした。
そのピクサーにいたアニメーターのジョン・ラセター(映画「トイ・ストーリー」監督)がディズニー映画にテコ入れをするようになってからプリンセスものが再生したんです。「プリンセスと魔法のキス」(09年)からですね。
――自分のレストランを経営したいという夢を持つ黒人の女の子が主人公でした。現代的なプリンセス像だったので驚きました。
でも実は、ディズニー・プリンセスの進化は「リトル・マーメイド」(89年)から始まるんですよ。
――どういうことでしょうか?
プリンセスはなぜ「進化」したのか。背景には「ローマの休日」や「スター・トレック」が? ディズニー映画を再生させた立役者の信条、そして最近のプリンセスがより現代的になった理由を町山さんが解説します。
ウォルト・ディズニーは「白雪…
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朝日新聞エムスタ