ABC予想の証明論文、ついに出版 8年半かけ数学誌に

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石倉徹也
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 数学の超難問「ABC予想」を証明したとする京都大数理解析研究所の望月新一教授の論文が5日、2012年の提出から足かけ8年半がかりで出版された。出版元の欧州数学会出版が朝日新聞の問い合わせに答えた。数理研が発行する国際的な数学誌「PRIMS(ピーリムス)」の特集号として、まず電子版を出版、印刷版は1カ月後という。

 論文は「宇宙際(うちゅうさい)タイヒミュラー理論」。英字で計723ページと長大なため、通常は5本以上の論文が掲載されるPRIMSを1冊まるまる使うことになった。論文は難解でもあり、証明を疑問視する数学者もいることから、数理研は、出版を機に理論を普及させていきたいとしている。

ABC予想って、宇宙際タイヒミュラー理論って? 科学医療部の石倉徹也記者がわかりやすく、詳しく解説します。

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 ABC予想は、1、2、3…と無限に続く整数の足し算とかけ算という数学の根本についての問い。証明されれば数々の未解決問題の解決につながり、数学のノーベル賞と言われるフィールズ賞級の成果と言われた。1985年に予想が発表されてから、約35年間未解決だった。

奇抜なアイデア、世界中が驚いた

 望月教授は、「足し算やかけ算をする世界(宇宙)を縦横無尽につなげて(際)、数を操る」という奇抜なアイデアを編み出し、10年以上かけて一人で宇宙際タイヒミュラー理論を作りあげた。2012年にPRIMSに提出し、ホームページでも公開すると、世界中の数学者が驚いた。

 ところが、論文はあまりに奇抜で難解だった。数学者でさえ「どこが分からないのかさえ分からない」と音を上げるほどで、「未来から来た論文」などと恐れられた。著名な数学者から「証明の進め方に修正不能なギャップがある」といった疑問の声も上がり、検証は7年半という異例の長さになった。

 PRIMS編集委員会は昨年…

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